2020年 03月 05日
☆骨伝導ヘッドホン・音が聴けなくなった母にレコードを☆
母に渡したかった想いが叶った、ひなまつりの日
とても嬉しかった出来事。
耳が聴こえなくなってしまっている母に
懐かしいレコードを聴かせたい。
それが出来た。
それが出来た。
骨伝導ヘッドホン、というのがある。
聴こえない人の為のものという事ではなく
耳をふさがないので、
サイクリングやジョギングの時など、
外の音も普通に聞こえる為便利、というもの。
鼓膜を通して、でなく聴ける仕組みなので、
耳が聴こえない環境の、原因によっては聴けるはず。
ひなまつりだった一昨日
母の所へ行って、
パソコンにブルートゥース環境を与えるべくチップを刺し
ヘッドホンのペアリングを済ませる。
聴かせてあげたかったレコードは
若い頃の母が持っていて、私が譲り受けたもの。
若い頃の母が持っていて、私が譲り受けたもの。
レコードは限定公開設定にして
まずはクリーニングした後で、
録音の済んだ16曲くらいをyoutubeに置いてある。
まずはクリーニングした後で、
録音の済んだ16曲くらいをyoutubeに置いてある。
母は今はもう、こちらが大きな声で喋ってさえ
日常生活の中で、会話を聞く事が出来ない。
前は左側で話せば少しは聞こえたのだけれど。
まずは比べる為、
求めて行った
普通の有線の両耳イヤホン(カナル型)で音量を最大にして
音楽を聴いてもらう。(TV見る時用に求めて来た)
ゆきみ:聴こえる?(筆談)
母 :聴こえる。
ゆきみ:じゃ、試してほしいことがある。
今度は骨伝導ヘッドホン
AfterShokz アフターショックス
ゆきみ:聴こえる?(筆談)
母 :聴こえる。
母 :え??
驚きの表情
わぁ!
右からも聴こえる!
右からも聴こえる!
ゆきみ:やった。よかった。
母 :もうダメと思っていた右で音楽が聴こえるとは
(冗談で)
(おとうさま、あなたのせいで聴こえなくなった耳を
ゆきみが聴こえるようにしてくれましたよ~~)
(父が病に倒れて目が離せなかった日々に
母は耳鼻科に行く時間も見つけられなくて
手遅れ、ということになってしまった)
(**限定公開で母に聴かせる為だけにUPしています)
レコードを聴いてもらいながら
母に書いた文字。
↓↓
====
お母さんが若い頃聴いていたレコード
私が聴くのもとても嬉しいけれど
一番楽しそうに話をしてくれる、
ハウスキーパー時代のころの事が
お母さんがあの、レコードの音楽を聴きながら
思い起こされてくるといいな。
それが私にはとても嬉しい。
音楽って言うのはたいてい、
それを聴いていた時期の思い出がくっついているもの。
聴いているといろいろ蘇って懐かしくなったりが
心にとても幸せをプラスするよね。
====
母 :そんなことを解ってくれるとは・・・
すごい。
そうなの。
今レコード聴きながらずっと、
そこに居るかのように、あの頃の色々な場面を見ていたの
目を潤ませてそう言ってくれた。
ゆきみ:ね。そうなの。そういう風に懐かしんでほしかったの。
よかった。
本当によかった。
これが、耳が聴こえない世界に居た母に、
私が、わたしてあげたかった、こと。
あーーーーーーーーー
聴けてよかった。
ありがとう~~と天にむかって叫びたい気持ち。
母もきっと嬉しい、
けど・・私もしあわせ。
****************
下記は、長いので、興味ある方だけ読んでくださいね
主に、私自身の、母とのやりとりと背景のメモ
=記=
★★これを実現する迄の色々な事★★
★私はレコードを聞ける環境を整えた。
自分が聴きたい気持ちももちろんあった。
けれど母に聴かせてあげたかった。
アトリエまでは、もう来られなくても録音などの方法でも。
昔、母が若い頃に聴いていた音楽を聴かせてあげたかった。
その事をブログに書いた
それが2019年12月半ば。
私は、時間がある時に一生懸命レコードのクリーニングをしていた。
2019年 12月 15日
2019年 12月 16日
2019年 12月 17日
★ところが、次に会った時、
母曰く。ブログにレコードの事、書いてあったけれど・・
貴方が楽しんでくれるのは嬉しいけれど
私は聴こえないし、もういいの。と
ちょっとガックリ。
もうそんな気力もないか・・と。
間に合わなかったか・・と。
それが2019年、たしか12月24日。
レコードクリーニングを続ける気力を失う私。
★けど、次に会った時
あのね、すごく大きくすれば左耳は少しは聴こえるのよ、
何かの時に母がちょっと呟いて、聴いてみたいきもちもあるのかな?
それが2020年のお正月。
★1月11日に、私は年配の友人シーパパのピアノミニライブに行ってきた。
震災後ずっと11日には、
ジャズバー"Sea"にて、"忘れないライヴ"を続けている。
シーパパのピアノを、母に聴かせてあげよう~と録音してきた。
昔、Seaを息子さんに任せて
別の場所でピアノバーを経営されていた時に
バースデーだった母を連れて行った時
母の為にピアノを弾いてくださって母がとても感動して、大切な記憶になっている。
録音してきた日のことを書いたブログ
↓
2020年1月12日
★仕事の打ち合わせを含め、一日動き回った日に最後に母の所に寄れた日。
前に一緒に行った編みもの作家さんの作品写真と
そして、シーパパのピアノ演奏を聴いてもらう。
スマホに繋いだイヤホンで、音量を最大にしたら聴けたのだ。
でも右は全く聴こえない、という事が解って
それはそれで母、ショック。
完全に右はダメだという事が分かった、と何度もつぶやく。
今TVについているイヤホンはちょっとダメになっていて
母はTVは字幕で見ている。
もっといいイヤホンを買ってきたらいいかもね、という私に
もうずぐ終焉を迎えるかもしれないし、今更・・・
と思ってきたけれど、そうね、そういう風に考えるのはやめましょう、
とちょっと思ったの、と言ってくれる。
最近、前向きに考えることにするわ、と言ってくれることが多くて
それは母自身にとって実はこちらが考えるよりずっと大変なこと、
と思うのだけれど、それでもそういう気持ちで居ましょう、
と言う姿勢でいてくれることは嬉しい。
これは2020年1月25日
★まだイヤホンは求めてきていないけれど
考えていたことがあって母に話をする。
骨伝導のヘッドホンっていうのがあるのよ
鼓膜で聴くのではないから、お母さんも聴こえるかもしれない。
近場の家電ショップに電話して試せる製品があるか確認したりもした。
その日に、行ってみる?は、母の元気も含め無理だったけれども。
これはたぶん2020年2月の7日
★母に会いに行って話していたら
先日、音楽を聴けるかも、の話をしてくれたけど
よく考えてみた、私にはもう今更、贅沢だと思う。
だからレコードは貴方が楽しんでくれたらいい。
と言われてしまう。プライスも含めて話しちゃったからかな。
それが2020年2月の22日
★でもその、母の言葉で私の中で勝手に意思が固まる。
私は、長くないかもしれないからこそ、よけいに
その大切な時間の中で嬉しい事、幸せなこと、
それが母の中で、たくさんであってほしい。
いいじゃないか、試してみよう。
母が使えなかった(聴きづらかった)としても
ワイヤレスなら私が使うこともできる。
調べて調べて、一番良いと思われるメーカーのものをセレクト
パソコンにbluetooth機器を認識させるチップと共に
骨伝導ヘッドホン、注文する。
決めたら早い。
これが2月24日
ヨドバシも早い。到着は2月25日。
AfterShokz アフターショックス
AFT-EP-000012 ・AEROPEX 骨伝導ワイヤレスヘッドホン
Bluetooth対応 ルナグレー
私、骨伝導ワイヤレスヘッドホンを試す。
快適。
パソコンで音楽を流しておけば(スマホでも)
料理をチェックしに行ったり、地下に用事が出来たり
アトリエ内でうろうろ色々なことをしながら
そのままずっと音楽を聴いていられる。
自分、動き回るのでもともと、イヤホンヘッドホンで繋がれるのが嫌い。
ワイヤレスはいい。
耳をふさがないので部屋や外の音が聴こえるのがいい。
レコードのクリーニングをせっせと。そして録音。
youtubeへの限定公開アップ。
母のGoogleアカウントとyoutube環境を調える。
母のプレイリストにレコードの音楽を入れる。
そして3月3日。
嬉しかった日。
めちゃめちゃ嬉しかった日。
アップできたのはまだ16枚くらい。
続けてレコードクリーニングして録音してUPしよう。
でも無理せずに。全部とか間に合うとか考えずに。
機械の事だから、ペアリングがクリアされてしまったり
聴けなくなることがあるかもしれないけれど
気にしないでね。電源さえ切っておけば、
今度行った時にチェックするから、と伝える。
とりあえず、色々説明して、
ちゃんとスイッチやパソコンのクリックする場所など図にして書いて来た。
一人でも聴けるといいな。
___________
★★レコードそして母にとっての音楽★★
小さい頃に父がたま~にレコードをかけてくれた。
弟も私も、後には妹も、プレーヤーのすぐそばに集まって
回るレコードを眺めていた記憶がある。
母の若い頃の時代はみんな大変だった。
小学生の年齢を終えた時から学徒動員で仕事に。
そこから始まって、母も色々なことを学びながら
電話交換手やキーパンチャー(和文タイピスト)など
様々な職種を経たあと、自分で飛び込んで行った仕事は
東京会館のアメリカン・クラブ。
ウエイトレスも水商売、貴方のようなかたには向いてないと思う、
と言われたらしいけれど、母は意思を通して働き出した。
そして軽井沢要員に。そこからの若い時代の仕事生活は
今でも母がとても幸せそうに話す部分。
今でも母がとても幸せそうに話す部分。
週末が忙しい以外とても自由だった軽井沢の避暑地での日々。
そこで認められた母は、アメリカ人のご夫婦の
ハウスキーパーの仕事をするようになって、
その方の仕事の転換期に、また来てもらえるまで、と
ご友人を紹介してもらい、こんどはその方のハウスキーパーに。
人とのつながりは幸運だった、と母が言うように
新しい仕事先のMr.スミスもMiss.ウィンデ(Mr.スミスの婚約者)
も母にとてもよくしてくださり、
私の小さい頃のおくるみ用の毛糸や赤ちゃんケアのセットや
色々プレゼントしてくださり、赤ちゃんの私のことも
とてもかわいがってくださったとの事。
母のレコードはほとんど、ウィンデさんが
お国へ帰る時に、譲り受けたもの。
頂いたレコードにはたまに、
Miss.Windfulderの名前入りのメモが入っていたりする。
貴方がおなかの中にいた時にも一緒にレコードを聴かせていただいたから、
貴方も一緒に聴いていたわね、胎教みたいな影響はきっとあるわよ。
「そうね、だから私、音楽がないとダメ~っていうくらい
音楽が好きなのかもしれないわね」とわたしは書いた。
(母は話せるけれど、聞くことが出来ないので、こっちは筆記である)
その後、東京会館での仕事のちょっとした事での縁で、父と出会い、
父と一緒になった母は、生活が大変すぎて、また、忙しすぎて、
そこからの一生、レコードを聴く暇などなかったと思う。
父がレコードをかけてくれた時も母はそう言えば傍にはいなかった。
今回骨伝導ヘッドホンでレコードが聴けて
「お父さまは病気で先に行ってしまったけれど
ほんとうはお父さまと貴方と、3人でレコード聴いたりしたかったな」
なんてちょっと目を潤ませた母である。
★今日の雑貨屋(店舗)**おやすみです
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★料理やハンドメイドのレシピまとめを
by gaya-san
| 2020-03-05 06:50
| 発見・感動いろいろ
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